アレクサのある生活 新社会人編 (アレクサの設置)
アレクサの楽しい活用をご紹介したいなと勝手に本を執筆していたのですが、書きたいことを書いたところで、編集が面倒になってしまい、ほったらかしになってました汗
第1章に書いていた小説調の仮想人物の暮らしをこちらに書いてみます。
アレクサの言葉がわかりやすいようアンダーラインを引いています。
また、アレクサに関係するところは下線を引いています。
https://gyazo.com/90a77b24cd52b2cbc3d0b755c3880041
1−4 社会人1年生 ヒカルくん
ガチャ。
自宅の鍵を開けると、疲れきった体でワンルームのベットの上になだれこんだ。
今日も疲れたなあ。
僕は、3ヶ月前、大手の食品メーカーに就職したばかりの社会人1年生だ。
同期との研修後、営業部に配属されてから、日々取引先に訪問しては、自社製品の置き場や在庫状況をチェックする毎日だった。
今日は、上司のゆうこ主任にみっちり指導してもらって、とても勉強になったが、疲れもマックスだ。
でも、今夜はこないだの給料日に買って日曜に届いていたアレクサを設置したいのだ。
引っ越してきたときに、自宅に光を入れる契約をして、無線LAN環境は整えた。
プライム会員の会費は、新人の僕には痛手だけど、月々で考えれば500円。
仕事帰りの発泡酒3本分くらいなら、より良いアレクサ生活のために我慢できる。
さあ、アレクサ開封の儀だ。
部屋の雰囲気に合わせて黒いエコードットを買った。
薄いビニール袋を破り、箱を開けていく。 うん、これがアレクサか。近未来っぽい。
新しいおもちゃを手に入れる喜びは子供の頃から変わらない。こいつを使ってどんなことができるだろう。
憧れのスパイ映画のエージェントの朝のような近未来な生活ができるだろうか。
僕は、これからアップデートする自分の生活にワクワクしながら妄想を膨らませた。
早速プラグをコンセントにさし、電源を入れる。すると、アレクサの淵の部分を青い光が周りはじめた。
「こんにちは。セットアップを開始します。」
おお!アレクサが喋った!僕は興奮した。
アレクサの案内によると、スマホにアレクサアプリをダウンロードする必要があるらしい。
早速ダウンロードして、Amazon会員のIDとパスワードを入力すると、セットアップ画面が現れた。
画面に従って、Wi-Fiのパスワードや、言語設定などを進めると、程なく設定完了だ。
アレクサ、今日の天気は?
「仙台市の今日の天気は、晴れでしょう。最高気温は18度、最低気温は13度でしょう。」
アレクサ、面白い話して!
「あら、これピカソの絵ね。。。。奥様、鏡でございます」
しばらく、アレクサとおしゃべりしてみた。
上手に答えてくれる時もあれば、「ちょっとよく分かりません」も何度か言われた。苦手なこともあるようだ。
そういえば、昼間にゆうこ主任とアレクサの話で盛り上がった。
ゆうこ主任も持っていて、定型アクション機能とやらを使ってかなり使いこなしているらしい。
音楽が時間で流れるようにできるっていっていた。やってみたい。
アレクサアプリをいじっていると、定型アクションの画面に到達した。
今は7時半だから、、、と、右上の+ボタンを押し、実行条件で毎日の夜8時を選んだ。次は アクションを追加だな。
おお!いろんなことができるんだ!とりあえず、ミュージックを選択する。BGMとして聴きたいから洋楽としておこう。プロバイダは、Amazon musicと。保存。さて、うまくいくだろうか。
ほどなくして8時。アレクサから洋楽が流れ出した。成功だ!
うまくいくと気持ちいい。今流行りの「プログラミング」みたいじゃないか。
次のボーナスは、ちょっといいスピーカーでも買おうかな。そうすれば、もっと音楽が本格的に楽しめる。
ゆうこ主任には、今度、仕事だけじゃなくてアレクサの使い方ももっと教えてもらおう。
盆には博多の実家に帰るつもりだけど、そのときには、お世話になった両親のために、インターネット回線契約とWi-Fiルーターから、アレクサのセッティングまで全部やってあげようか。
母親はこないだスマホにしたばかりで、句読点がうまくできないらしく、句読点のない読みにくい文章や絵文字でラインを送ってくる。機械オンチだけど、声で話しかけるだけだし、時間指定の動作をいくつか設定してあげれば、使ってくれるだろうか。
僕は、母親を思いながら、いつの間にか眠りについていた。
(1ヶ月後)
ジー、、、ガチャ。
就職祝いに親に買ってもらったApple Watchの画面をタッチすると、先日設置したスマートキーが作動し鍵が開いた。
https://gyazo.com/8bc5b3fe2e1fbf948fdf31167178de75
「アレクサ、ただいまーー」
そう言うと、電気とテレビがつき、アレクサが明日の天気を教えてくれた。
https://gyazo.com/2514b070d97ddbea16c6b4ec6754b55e
あれからゆうこ主任に色々教わって、アイテムを買い足し、家電の操作までアレクサでできるようになったのだ。
職場ではペーペーの僕だが、家ではアシスタントがいてくれる。なんて心強い。
ちょっとおバカな時もあるけれど、使う度にアレクサを好きになっていた。
でもまあ、さすがに彼女にまではなれないか。
「アレクサ、彼女になって」
「嬉しいです!でも、Wi-Fiにしっかりつながってしまっているので、ごめんなさい」
ああ、バカなことを聞くんじゃなかった。アレクサに振られてしまった。
いつか本物の彼女を連れてきて、嫉妬させてやろう。
そんなアレクサとの生活は、スパイ映画のような世界ではないけれど、どこかあたたかみが感じられ、孤独ではなかった。
AIが確実に生活に入り込んでいる。今のところ、ターミネーターではなく、ドラえもんに近い存在だ。
テレビのチャンネルをまわしたけど、面白いテレビはなさそうだった。
リフレッシュにゲームでもして遊ぼう。
アレクサに3分計ってもらってできたカップラーメンをすすって、お腹をみたすと、最近はやりのVRゲームを始める。
はじめてのボーナスを前借りして、奮発して買ったものだった。
VR機器を装着すると、目の前には仮想世界が広がった。
リアルすぎて本当にそこにたっているかのような錯覚に陥りながら、集めた武器を装備して、冒険の旅に繰り出す。
おっ、第1村人発見。なんだか取引先の佐藤さんに似ているなあ。
村人に話しかけて有力な情報をもらうと、仕事のことは完全に忘れて、リアルなゲーム世界での冒険を楽しんだ。
(参照記事)